そのむくみ、もしかしたら病気が隠れているかも・・・むくみを伴う病気とは

2018.05.11

足が痛い

足がパンパン顔が腫れぼったいなど、むくみは身近な症状の一つですが、中には病気が隠れていることもあります。

たかがむくみと思わずに、むくみが伴う疾患について理解しておきましょう。

むくみ方に違いはあるの?

鏡を見る女性
通常、細胞と細胞の間にある体液(細胞間液)の出入りのバランスは保たれており、細胞間に過剰に水分が貯留することはありません。

しかし、なんらかの理由により、この出入りのバランスが崩れると、余分な水分がたまり、むくみの症状を引き起こします。

むくみのタイプ

むくみは、原因により場所や性質が異なります。

身体の左右両側にできる場合を“全身性浮腫”、片側だけに発現する浮腫を“局所性浮腫”と大きく分類します。

また、むくみの性質によっても2つのタイプに分けられ、指で押したときにしばらく痕が残るむくみを“圧痕性”、痕が残らないむくみを“非圧痕性”とよびます。

むくみと一言でいっても症状は個々人で異なるため、どこにむくみが起こるか、両側か片側か、圧痕が残るか、いつむくみが出やすいかなど、自身のむくみのタイプを知っておくと、診療の際、明確に症状を伝えやすくなります。

むくみが生じる病気とは?

女医に相談する患者
それでは、むくみが起こる疾患にはどのようなものがあるのでしょうか?代表的な病気についてみていきましょう。

心臓の病気

心不全などで心臓自体の働きが弱くなり、血液をうまく全身に送れなくなると、血液のめぐりが悪くなり、水分が身体に溜まってむくみを引き起こします。

通常、心疾患で起こるむくみは、全身性で圧痕が残ります。

むくみのほか、体重の増加や息切れ、疲れやすいなどの症状が発現する場合がありますので、疑われる場合にはすぐに医療機関を受診しましょう。

肝臓の病気

肝臓は、食べ物から摂取した栄養素を体に吸収できる形に変えて貯蔵し、必要時にエネルギーとして供給する働き、アルコールや薬などの有害な物質を分解し無毒化する働き、胆汁を生成・分泌する働きなど重要な役割を担っている臓器です。血液中に含まれるタンパク質であるアルブミンを生成しているのも肝臓です。

アルブミンは血清総蛋白の50~70%を占め、血液中の適切な水分量を保つ役割や様々な物質と結合して運搬する役割をしています。

そのため、肝硬変などにより肝臓の機能が低下すると、アルブミンの量にも異常をきたすため、水分量の調節がうまく行われず、むくみが生じます。

肝疾患に伴うむくみでは、全身性・圧痕性のむくみがみられます。

腎臓の病気

腎臓は、老廃物を体外へ排出する役割、血圧を調節する役割、体液量やイオンバランスを調節する役割、強い骨や血液を作るのに不可欠な役割を果たしています。

そのため、腎不全などで腎機能が低下すると、体液量の調節がうまくいかなくなるため、むくみが生じます。

また、尿にタンパク質がたくさん出てしまうネフローゼ症候群では、血液中のタンパク質が少なくなるため、水分が血管外へしみ出しやすくなり、むくみを引き起こします。

腎疾患に伴うむくみでは、全身性・圧痕性のむくみがみられます。

甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症は、免疫の異常により、甲状腺ホルモンの分泌や作用が低下する疾患です。

甲状腺機能低下症に伴うむくみは、粘液水腫と呼ばれ、指で押しても痕が残らない非圧痕性であるのが特徴です。

むくみだけではなく、皮膚のカサつき生理不順記憶力の低下などの症状もみられることがあります。

妊娠高血圧症候群

むくみ、タンパク尿、高血圧の症状を特徴とする妊娠中の疾患で、胎児の発育障害や脳出血など、様々な症状を引き起こすことがあり、母子ともに危険な状態になる場合があります。

妊娠高血圧症候群では、全身性の浮腫がみられます。

ただし、正常妊娠の場合でも、血液量の増加や大きくなった子宮による圧迫などから、むくみが出やすくなります。

気になる場合には、担当医に相談しましょう。

静脈性の疾患

深部静脈血栓症、下肢静脈瘤などの静脈性の疾患でもむくみが発現することがあります。

深部静脈血栓症、肺塞栓症などのいわゆるエコノミークラス症候群は、水分不足に加えて、同じ姿勢でいることにより血液の流れが悪くなり、静脈中に血栓ができる疾患です。

血栓により血管が塞がれるため、血栓ができた片側(局所性)にむくみが発現します。

下肢静脈瘤は、血液の逆流を防ぐ静脈弁が壊れてしまい、血液が逆流し溜まることで、局所性のむくみが生じます。

むくみのほか、足の血管が浮き出てくる、細かい血管が透けて見えるなどの症状が現れる場合があります。

リンパ浮腫

がんの手術後や放射線治療後に多くみられる疾患です。リンパ液がたまってできるむくみで、局所性のむくみがみられます。

初期の段階では圧痕性ですが、重症化すると指で押しても痕が残らなくなります。

そのほか、低栄養やアレルギー反応、薬(ステロイド薬、非ステロイド性抗炎症薬、カルシウム拮抗薬、抗生剤、抗がん剤等)などによってもむくみが生じることがあります。

治療

男性医師首から下
病気に伴うむくみの場合、原疾患の治療が重要になります。むくみ自体への対症療法としては、塩分および水分の制限、利尿薬の投与などが行われます。

健常人にも起こるむくみですが、中には病気が隠れていることもあります。むくみの症状が続く場合や、症状がひどい場合、他にも気になる症状がある場合などには、医師に相談しましょう。