下肢静脈瘤とは?潰瘍ができる?メカニズムや治療方法とは

2018.08.13

医者

下肢静脈瘤と言う病気で潰瘍ができることがあります。

これを「うっ滞性皮膚炎」と言いますが、このうっ滞性皮膚炎を起こしている下肢静脈瘤は、重症の部類に入ります。

ここでは下肢静脈瘤の基礎知識から潰瘍ができたときの治療法を書いていきます。

下肢静脈瘤とは?起こるメカニズムをおさらい

女性 注意
下肢静脈瘤と言う病気について簡単に復習しておきましょう。

あまり聞きなれない病気ですが、漢字から分かるように、足の血管の病気のことを言います。

足の血管の静脈が(こぶ)のように膨みます。

瘤と聞くと悪性と思う方も多いかもしれませんが、下肢静脈瘤は良性の病気で急に悪化することはありません。

血管には「動脈」と「静脈」があります。

足の静脈には、心臓から足に送られて、使用された血液をまた心臓に戻す働きがあります。

このとき、重力に逆らって心臓まで血液を送らなければならないため、血液が再度足に行かない(=逆流しない)ようにが付いています。

下肢静脈瘤は、この「弁」がなんらかの原因で壊れて締まらなくなり、足に血液が溜まり瘤のように膨れてしまうのです。

下肢静脈瘤の原因については、こちらの記事で詳しく書いてあるので参考にして下さいね。

下肢静脈瘤の潰瘍はなぜできる?

女性 疑問
下肢静脈瘤を放置すると、血液の循環が悪くなるので皮膚トラブルが起きるようになります。

また、瘤が大きくなり皮膚を破いて穴が開いてしまう状態になることがあります。

皮膚炎が悪化したり、皮膚に穴が開いてしまうことを「潰瘍」と言い、「うっ滞性潰瘍」とも呼ばれています。

この潰瘍ができると言うことは、下肢静脈瘤が最も症状が重い状態を現し、この潰瘍から感染症や、出血が起こります。

痛みを感じたり、出血があることから日常生活にも支障が出てきます。

皮膚のトラブルなので、皮膚科を受診する方が多いですが、根本的には下肢静脈瘤が原因なので、下肢静脈瘤を治さない限り潰瘍は治ることがありません。

ちなみにこのうっ滞性皮膚炎は潰瘍だけでなく、湿疹や色素沈着のことも言います。

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下肢静脈瘤の症状の度合いとは?

医者 チェック
下肢静脈瘤は、ほとんどがふくらはぎに起こります。

また、足に血液が溜まるので「午後から夕方」にかけて症状が強く出ます。

まず下肢静脈瘤の症状についてはこちらの記事に書いてあるので参考にして下さいね。

そして、この症状は進行度を表すCEAP(シープ)で分類されます。

  1. CEAP1
  2. 毛細血管や網目状の静脈瘤が目で見えるが、まだボコボコはしていない状態です。

  3. CEAP2
  4. ボコボコな血管が見られるが、こむら返りやほてりといった症状はあまり感じることはありません。

  5. CEAP3
  6. 見た目にも分かるほどボコボコとした血管が見られ、足の強いむくみを感じるようになります。

  7. CEAP4
  8. ボコボコとした血管の他に、皮膚トラブル(湿疹や色素沈着)が見られます。

  9. CEAP5
  10. ボコボコとした血管の他に、治った潰瘍の跡があります。

  11. CEAP6
  12. 先ほど上にも書いたように、ボコボコとした血管の他に「潰瘍」が見られます。

以上が症状の区分です。

かなり血管がボコボコとしている方は、血管が張っているような感覚になることもあります。

見て分かる通り、潰瘍ができる前に様々な症状が出ていることが分かります。

下肢静脈瘤は放置すればするほど、どんどん悪化しうっ滞性皮膚炎を引き起こします。

初期の段階で早期発見早期治療を行えば潰瘍を防げるのです。

下肢静脈瘤で潰瘍が発生!検査は何をする?

CT検査
下肢静脈瘤で潰瘍ができたとき、うっ滞性皮膚炎になった場合まずは、下肢静脈瘤がどのくらい血管の中で進行しているのか検査をする必要があります。

ではどのような検査が行われるのでしょうか?

①パルスドップラー検査

血液中の赤血球に超音波を当て、血流の変化を測定する検査方法です。

血流を音で表すことで、音の変化を聞き分けて逆流が起きているかどうかを調べます。

プローブと言う機械を血管に当てて行います。

②カラードップラー検査

カラードップラー検査は、血液の流れをカラー画面で表示するので、異常が分かりやすいです。

こちらも先ほどと同じようにプローブを当てて測定しますが、血管の内径や血の流れの速さを測定し、記録に残すことができます。

ドップラー検査と言うと何か特別な検査のイメージがありますが、超音波エコーのことを言います。

現在下肢静脈瘤の検査はほとんどがカラードップラー検査になります。

③空気脈波検査

足を上げ下げしたときの、下腿の容量変化を空気として測定する検査方法です。

足全体の静脈の逆流も測定することが可能です。

④三次元CTスキャン撮影法

造影剤を使用せずに、足の静脈瘤を撮影でき、立体的に静脈瘤の状態を確認することができます。

手術適応になる静脈瘤や、手術方法を決定するときに有用です。

下肢静脈瘤の潰瘍ができたときの治療方法は?

包帯
潰瘍は繰り返しできるので「なかなか治らない」と思っている方も多いです。

しかし、下肢静脈瘤を治療しつつ潰瘍もケアできれば治ります。

まず下肢静脈瘤の治療方法はこちらの記事を参考にしてください。

  1. 毎日、潰瘍の部分をしっかりシャワーで洗浄します。
  2. 滅菌ガーゼを潰瘍に当てます。軟膏などは不要です。
  3. 弾性包帯をしっかり巻きます。
  4. 日中は弾性包帯の上から弾性ストッキングを装着し、夜間は弾性包帯のみにします。

以上が潰瘍ができているときの治療方法です。

潰瘍部分を清潔にし、弾性包帯や弾性ストッキングで圧迫することが大切です。

この方法は潰瘍部分だけでなく下肢静脈瘤の治療にもなります。

もちろんガーゼの当て方や、包帯の巻き方は医師にしっかり指導してもらってから自分で行いましょう。

まとめ

今回は下肢静脈瘤のメカニズムや、潰瘍の治療方法について見てきました。

潰瘍が発生している下肢静脈瘤は、最も症状が重いものに分類されることが分かりましたね。

潰瘍ができている場合、下肢静脈瘤を治療しなければなりません。

しかし、潰瘍も下肢静脈瘤も治療できる方法があるので、医師の指示に従ってしっかり治療しましょう。