下肢静脈瘤の予防法5選〜治す必要が生じる前にできる予防法〜
2018.08.08
血管には心臓から血液を送る動脈と心臓へ血液を返す静脈の2種類があります。
下肢静脈瘤は足(特にふくらはぎ)の静脈の中にある弁が壊れることなどによって、足の血管に血液が溜まってしまう病気です。
場合によっては治療のために外科で手術やレーザー治療が必要になる病気ですが、日常生活から気を付けることにより予防することができます。
ここでは代表的な予防法を5つご紹介します。
また、これらの予防法の多くは下肢静脈瘤が生じた後でも有効ですので是非お試しください。
食事の改善
1つ目の予防法は食事です。
食事は生きていく上で欠かすことはできません。
そんな食生活を改善することで下肢静脈瘤の予防につながります。
バランスの良い食事
肥満は下肢静脈瘤の原因の1つと言われています。
食生活が乱れている方はまず食生活を見直して改善し、バランスの良い適切なカロリーの食事を心掛けましょう。
適切なカロリー(kcal)は身長(m)×身長(m)×660で概算することができます。
(※上記660は22
一度計算し、摂取カロリーが多すぎないか確かめると良いでしょう。
ビタミンやポリフェノールの摂取
下肢静脈瘤が起こる時には多くの場合、足の静脈がぼろぼろになっています。
ビタミンやポリフェノールは静脈の老化を防ぐ効果があると言われています。
下肢静脈瘤を予防するためにビタミンやポリフェノールの多く含まれている食品を積極的に摂取すると良いでしょう。
野菜や果物、特にブルーベリーなどが良いとされています。
運動
2つ目の予防法は運動です。
運動は様々な疾患の予防に効果的とされています。
もちろん、下肢静脈瘤にも有効です。
但しやりすぎは禁物です。
定期的な運動
正常な人では、足の血液は静脈の中にある弁によって逆流せずに心臓へと運ばれます。
しかし下肢静脈瘤のできる人は弁が壊れているため血液が足の血管に溜まります。
そこで運動することにより、ふくらはぎの筋肉のポンプ機能によって血液が心臓へと運ばれることを促します。
そのため定期的に運動することにより血液の足の血管への貯留を防ぐことができ効果的です。
1日30分のウォーキングなどから始めてみましょう。
過度な運動は禁物
過度な運動をすると足の血管に血液が溜まってしまうこともあり、過度な運動は下肢静脈瘤の予防に逆効果であると言えます。
フルマラソンなどの長時間に渡る過度な運動は控えた方が良いでしょう。
また、痛みがある場合などは無理をするのは控えましょう。
日常生活での行動の改善
3つ目の予防法は日常生活での行動の改善です。
日常生活の行動が下肢静脈瘤の原因となっている場合もあります。
普段から気を付けることが大切です。
長時間立ち続けない
長時間立ち続けると、重力の関係で足に血液が集まります。
そのため、下肢静脈瘤を起こしやすく、下肢静脈瘤がある場合には悪化します。
1時間たったら少し足を伸ばして座るなど、できるだけ長時間立ち続けることは避けるように日常生活から改善しましょう。
足に血液が溜まるので、足をできるだけ上にあげることがポイントです。
姿勢を変える
立ち続けるのは当然良くありませんが、座りっぱなしが良いと言う訳でもありません。
デスクワークなどで座り続ける場合でも重力により血液は足の血管へと溜まっていきます。
そのため定期的に足を動かすなど、全く同じ姿勢で長時間過ごすことのないようにしましょう。
つま先やかかとの上げ下げだけでも効果的です。
また、寝るときに足を少し高くすることにより足への血液を減らすことができます。
無理のない範囲で行うと良いでしょう。
マッサージ
4つ目の予防法はマッサージです。
マッサージは手軽にできる予防法の1つですので、是非お試しください。
自分の手で行うマッサージ
下肢静脈瘤は足に血液が溜まる病気なので、下から上へ足を自分の手でさすることにより足から心臓への血流が良くなり、静脈瘤の発生を予防することができます。
インターネット上にマッサージ動画などもありますので探してみるのも良いでしょう。
少しずつ血液は溜まっていくので定期的に行うことが重要です。
専門機関で行うマッサージ
クリニックなどの専門機関でも下肢静脈瘤のためのマッサージを行っている所もあります。
足のむくみや痛みなどの自覚症状がある場合には、そう言った医療機関を受診してマッサージなどを行ってもらう方法もあります。
弾性ストッキングなどの着用
5つ目の予防法は弾性ストッキングの着用です。
弾性ストッキングは病院でも使われるほど効果的な予防法ですが、注意点もあります。
医療用弾性ストッキングの着用
ふくらはぎから太ももにかけて適度な圧が掛かることで足の血液の心臓への流れが改善します。
そのため、弾性ストッキングを着用することにより、足が圧迫され血液が足に溜まりにくくなります。
特に医療用のものは圧迫力が強く、すでにむくみや痛みなどの症状を足に感じている方に良いでしょう。
近くのクリニックなど医療機関を受診して適切な弾性ストッキングを処方してもらうことをお勧めします。
メディキュットなど市販靴下の活用
ドラッグストアなどどこにでも売っている市販靴下にも加圧してくれるものも多くあります。
医療用の弾性ストッキングより効果は弱いですが、立ち仕事などで足に血液が溜まりやすい方などは、市販の加圧靴下を使用して下肢静脈瘤を予防することも効果的です。
特に症状などは無いけれど気になるという人はまず使ってみると良いでしょう。
弾性ストッキングの禁忌
動脈硬化や糖尿病などにより動脈の血流が阻害されている方では、弾性ストッキング着用により、血流が途絶えて足に治りにくい潰瘍ができたり壊死してしまう可能性があります。
動脈硬化の原因となる高血圧のある方や糖尿病のある方は必ずクリニックなどの医療機関を受診してから着用してください。