下肢静脈瘤は妊娠中にもなる?その原因や対策方法を知っておこう。

2018.10.05

妊婦 夕焼け

下肢静脈瘤は、足の静脈の血管が瘤のように浮き出る病気ですが、実は妊娠中に発症しやすくなるのは知っていますか?

今回はなぜ妊娠中に下肢静脈瘤が発生するのか、そのメカニズムや原因、さらに対処法や治療法を書いていきます。

妊娠中は下肢静脈瘤になる可能性が高い

妊婦01
妊娠中に下肢静脈瘤になる可能性が高くなるのは知っていますか?

その原因は女性ホルモンの「エストロゲン」が関係しています。

下肢静脈瘤についてはこちらの記事も参考にして下さいね。

①逆流防止弁の働きを低下させる

妊娠すると女性ホルモンのエストロゲンが多く分泌されます。このエストロゲンには
・血管を拡張させる
・血液を固める作用

この2つの働きがあります。

まず血管を拡張させる作用は、妊娠中は胎児にも栄養を送らなければならないため、血液が増加します。その増加に合わせて血管を拡張していきます。

そして出産時の止血を助けるため、血管を固める作用があるのです。

この2つは出産には欠かせない働きなのですが、一つ問題があります。

それが静脈の血液が逆流するのを防ぐ「逆流防止弁」の働きを鈍くさせてしまうというものです。

この逆流防止弁の働きが鈍くなると、本来足に使用した血液を心臓に送り戻す働きが鈍くなり、結果的に足に血液が滞ることになります。

②子宮が静脈を圧迫

また、胎児が大きくなるに従い、子宮も大きくなっていきます。

大きくなった子宮は腹腔内を圧迫して心臓に血液が戻るのを妨ぎます。

さらに先ほど書いた、血液を固める作用が働いてしまい、静脈が圧迫されてしまうので、下肢静脈瘤が起こりやすくなります。

→上記の点からも分かるように、妊娠中は特に下肢静脈瘤になる可能性が高いことが分かりました。

また、以上の点から妊娠中にむくみを感じる方が多い理由も分かりますね。

妊娠中の下肢静脈瘤の症状とは?

妊婦 足
では妊娠中の下肢静脈瘤の症状について書いていきます。妊娠中でも下肢静脈瘤の症状は一般的な下肢静脈瘤の症状とほぼ同じです。

しかし、妊娠中の下肢静脈瘤は

  • 足がつりやすくなる
  • 足に色素沈着や湿疹、かゆみが発生する

この2点を訴える方が多い傾向があります。

とくに朝起きたときや寝ている最中に「足がつる」(こむら返り)を経験したり、足の皮膚に異常を感じる場合が多くなります。

その他にも

  • 足がむくむ
  • 足が疲れやすくなる
  • 血管がボコボコと浮かび上がる

というように、一般的な下肢静脈瘤と同じ症状も現れます。
 
妊婦検診では医師が足を触りむくみの検査を行いますが、このとき皮膚症状や強いむくみを感じる際は、必ず医師に相談しましょう。

妊娠中の下肢静脈瘤の治療方法は?

妊婦 医者
妊娠中は安易に薬を飲んだり、麻酔をかけて手術するのは抵抗がありますよね。

もし胎児に影響があったら・・と必ず考え、何かあったら治療した自分を責めてしまう事になります。

そうならないためにも、妊娠中の下肢静脈瘤治療は慎重に行います。

まず、妊娠中に発生した下肢静脈瘤は、上記でも記載したように女性ホルモンのエストロゲンが影響しているため、出産をしてエストロゲンの分泌が減ると下肢静脈瘤も治癒することも多いのです。

そのため出産が終わるまで様子を見るという医師もたくさんいます。

しかし、下肢静脈瘤の症状が強い場合は「弾性ストッキング」を着用する圧迫療法が選択されます。

これなら手術をする必要もなく、下肢静脈瘤を改善することが出来ます。

出産後も下肢静脈瘤が改善しない場合は、血流の状態を調べるエコー検査を受け、医師と相談し手術を受けることになります。

下肢静脈瘤の治療方法や費用については、以下の記事に詳しく書いてあるのでぜひ参考にして下さいね。

妊娠中は下肢静脈瘤を予防することが大切

妊婦 歩く
妊娠中は血液がうっ滞しやすく、下肢静脈瘤になる可能性も高くなるので予防することが大切です。

最後は妊娠中の下肢静脈瘤の予防方法について書いていきます。

①体を冷やさない・血行をよくする

安定期に入ってから軽い散歩やマタニティヨガなど軽い運動を取り入れてみましょう。

もちろんこの散歩はウインドウショッピングをしながらというように、本当に軽いもので大丈夫です。

適度な運動は血行を促進させたり、ふくらはぎを使用するのでポンプ作用をサポートします。

もしお腹が張ったり、出血するようなら運動は即中止し、病院を受診しましょう。

②うっ滞を予防する

体に負担をかけない程度に、マッサージやストレッチを行い、血行を改善し、うっ滞を予防することも大切です。

弾性ストッキングを履くのも効果があります。

③衣類の調整を

普段着ている洋服で、血行を良くしたり冷えを予防することが出来ます。

  • マタニティウエアを着て、締め付けがないものを選ぶ
  • レッグウォーマーや弾性ストッキングで冷えやうっ滞を解消する

この2点です。特についつい締め付け効果のある服を選択してしまう方が多いのですが、血液の流れが悪くなり冷えの原因にもなります。

まとめ

今回は妊娠中の下肢静脈瘤について書いてきました。

妊娠中に分泌される「エストロゲン」が逆流防止弁の働きを鈍くさせてしまうため、下肢静脈瘤が発生しやすくなることが分かりました。

妊娠中に下肢静脈瘤が起こると安易に手術は出来ません。

日頃の予防が大切になるので、妊娠初期から下肢静脈瘤の対策がおすすめです。

下肢静脈瘤は出産をすれば自然に治るケースもあります。

しかし、症状がひどい・出産してもなかなか改善しない場合は必ず医師と相談しながら治療をしていきましょう。